新未来派/現代音楽とロックの今

怪奇骨董音楽市「湾岸レコードフェア」

2020年のクリスマス、パンデミックの時代に世界と日本を同時中継で結ぶ初のロック・フェス「PROG FEST Online」を主催されたDays Offさんが、

2022/秋は、リアルライブとレコード販売を組み合わせた立体企画を催されました!

○『新未来派/現代音楽とロックの今』は、クラシック音楽と現代音楽、そして60年代から90年にかけてのロック・ミュージックの魅力とその現在進行形と未来形を、それを知らない音楽ファンが触れることのできる画期的なイヴェント。

2022/10/30(日)@GARDEN新木場FACTORY

http://daysoff.populr.me/nuovo.futurismo

 

●怪奇骨董音楽市『湾岸レコードフェア』20世紀の文化遺産レコードを通して、胸躍る再発見の場を提供します。ミリオンセラーから、人知れずこっそりリリースされた名盤までが一堂に会するこの試みは、多くのお客さまに驚きをもって歓迎いただけると信じています。

2022/10/29(土)~30(日)@GARDEN新木場FACTORY

 

・お問い合わせ

Days Off http://daysoff.populr.me/



PROG FEST Online

from Chaos to the Future

混沌から未来へ

2020年12月19日(土)世界同時中継
18:00(日本時間)配信開始

 

パンデミックの時代に世界と日本を同時中継で結ぶ初のロック・フェス。
第1回は70年代プログレッシヴ・ロックのDNAを受け継いだ4組の共演。
混沌から未来へ、ダーク・ファンタジーの担い手による音楽の新たな時代への挑戦!!

 

出演:
ANEKDOTEN (Stockholm in Sweden)
LA MASCHERA di CERA (Genova in Italy)
HOMUNCULUS RES (Sicilia in Italy)
Anna Hardy & The Lunatic Spells (Tokyo in Japan)

 

「プログレ・フェス・オンライン」

開催日:2020年12月19日(土)

配信開始 (日本時間): 18:00/開演: 18:30  ※終了予定 22:00

 

チケット:3,950円(税抜き価格/世界共通) 
チケット販売:2020年11月1日よりZAIKO(zaiko.io)にて発売中
チケットに関するお問い合わせ:GARDEN(03-3410-3431)

 

主催:プログレ・フェス・オンライン実行委員会(sounds good 内)
企画:(株)レイヤード
プロデュース:岩本晃市郎
コーディネイト:ミカエル・ビョルン
協力:GARDEN、特定非営利活動法人おとなのバンド倶楽部、ディスクユニオン、ワールド・ディスク、カケハシ・レコード、ガーデン・シェッド、ヌーヴェルヌ・レコード、ゆうらしあ

 

※フライヤー画像をクリックしていただくと、PROG FEST Online のイメージ動画にジャンプします。是非ご覧ください。https://youtu.be/mYlbq1wFyc0


WEBの中で鳴り響く一夜限りのスリリングなサウンドは

これからのライブ演奏における音楽のあり方に一つの解答を提示する。

だからこそ、その第一歩を今踏み出すのだ

◉21世紀に入りフィジカル(レコード/ CD)からデジタル(配信/ダウンロード/ストリーミング)へとその流通形態を変貌させていた最中におけるコロナ・ウィルスの流行は、音楽の形態だけではなく、そのもっともダイナミックな魅力の一つであるライヴ(生演奏)のあり方さえも急変させようとしている。
しかし、その要因はコロナ禍のみに帰すものではなく、広い視点で考えれば、音楽が次世代の形態あるいは表現方法を模索している過程でコロナ・ウィルスが世界を襲ったと考えるベきだとも言える。
つまりここに提案する《ライヴ演奏における新しい音楽のあり方》は、訪れるべくして訪れた一つの形であり悲観的な状況から脱却するための刹那的、短絡的な一策ではない。今回初めて挑戦する、オンラインを使ったオムニバス形式のコンサートは、いずれ、そして近い将来必ず訪れる音楽の伝搬を象徴する、最新のイディオムと言っても間違いではないだろう。
そして、その第1回は、21世紀のプログレッシヴ・ロックの担い手4組によるプログレ・フェス・オンライン。それでは日本と世界を同時中継して開催する音楽フェスの栄えある出演者を紹介しよう。

HOMUNCULUS RES (Sicilia in Italy)

◉イタリアから参戦するホムンクルス・レスは、2013年にアルバム『部分と全体の均等化の範囲』でデビューを飾った6人編成のグループ。アヴァン・ポップという不思議な言葉がとてもよく似合うサウンドは、同じイタリア出身のベテラン・グループ、ピッキオ・ダル・ポッツォやテクニカルな演奏で人気の新鋭YUGEN、さらに英カンタベリー系の雄、ハットフィールド・アンド・ザ・ノースとも比較される。

軽快なビートと緻密なアンサンブルは、時にR.I.O.(Rock In Opposition /反対派ロック)にも通じるという掴みどころのなさはあるものの、アルバムに収められた質の高いプログレッシヴ・ロックは近年登場したバンドの中でも特に注目に値する仕上がりを見せている。ホムンクルス・レスはこの夏発表したばかりの通算で4作目にあたるアルバム『Andiamo in Giro di Notte E Ci Consumiamo Nel Fuoco』でもさらに進化したサウンドを聴かせてくれているだけに、今回のフェスヘのエントリーは非常に楽しみだ。

日本ではまだ多くのリスナーに知られていない彼らだが、期待値を超える演奏を披露してくれればその人気に火がつく可能性は十分考えられる。

LA MASCHERA di CERA (Genova in Italy)
◉そして、もう1組同じイタリアから参戦するグループがいる。それが2000年代のイタリアン・ロックを語る上では欠かすことができない重要人物、ファビオ・ツファンティ(フィニステッレ/ホストソナーテン)擁するラ・マスケラ・ディ・チェッラだ(以下マスケラ)。
マスケラもこの秋7年ぶりとなる新作『S.E.I』(通算7枚目)を発表したばかりだが、その内容はあまりにも素晴らしく、7年待った甲斐があったというもの。実にイタリアらしい旋律とダークなヘヴィ・シンフォニック・サウンドは、70年代イタリアン・ロックの輝きを現在に蘇らせただけではなく、アップデートしたその高度な音楽性には往年のイタリアン・プログレッシヴ・ロック・ファンも納得せざるを得ない。

かつて来日の機を逃したことのある彼らだけに、今回こそはその勇姿を日本のファンに見せたいところだろう。ファビオ・ツファンティ(b)、アレッサンドロ・コルヴァッリャ(vo, g)、アゴスティーノ・マコル(key)のバンドの基本となる3人は変わらずだが、アルバム制作に参加したデリリウムのマーティン・グライス(fl, sax)とムゼオ・ローゼンバッハの血を継ぐバンド、イル・テンピオ・デッレ・クレシドレのパオロ・テキシ(ds)がマスケラに合流することも決定しているので、間違いなくハイヴォルテージな演奏を聴かせてくれるはずだ。


Anna Hardy & The Lunatic Spells (Tokyo in Japan)
◉日本からも1組がプログレ・フェス・オンラインに参戦する。2017年に彗星の如く現れ、次々とベストセラー作品を発表したバンド、MIZUKI da Fantasia のMizuki(vo)と二枚看板の美貌のピアニスト、アンナ・アルディ率いるアンナ・アルディ&ザ・ルナティック・スペルズだ。
アンナもまた11月にデビュー作『Lunatic Spells ~月の呪文、あるいは狂人の呟き』をリリースし、本格的なソロ活動をスタートさせるが、クラシックのピアニスト/オルガニストであり、現代音楽の作曲家でもある彼女が臨んだプログレッシヴ・ロック・アルバムのクオリティは海外組に決して劣ることはない。むしろ、日本の音楽シーンを支えてきたメンバーによるダイナミックで正確な演奏は、世界中のプログ・ファンを驚嘆させることは必至だ。
美しきピアニストのドラマティックなサウンドに酔いしれるファンの顔が目に浮かぶようだ。

ANEKDOTEN (Stockholm in Sweden)
◉最後に紹介するのは、北欧のキング・クリムゾン、アネクドテン。

90年代中期に彼らが登場していなかったら、プログレッシヴ・ロックの冬の時代はまだ続いていたかもしれない。現在に至るプログレッシヴ・ロックの最大の貢献者でもある彼らが、どのようにしてこのオンライン・フェスをメロトロン・サウンドで満たしてくれるかは、ファンにとっては気になるところだろう。

彼らもまた、この夏からこれまでリリースしてきた作品のリマスター版をリイシューしている最中で、まさにタイムリーな登場と言える。

デビューから変わらぬダークでヘヴィなベース・サウンドと、美しいメロディを奏でるメロトロンの融合は、WEBを通じてオーディエンスを北欧の美しく深い森に導いてくれるはずだ。


パンデミックの時代は人間の知恵が試される時でもあり、現況の様々なリモートは、パラダイムシフトさえ引き起こす可能性もあり得る。だから、今こそ革新的で前衛的な音楽=プログレッシヴ・ロックとそれを体験するためのユビキタスなオンライン・フェスが必要なのかもしれない。今年の12月19日(土)の夜は、みんなでプログレ・フェス・オンラインを楽しもう!!
……岩本晃市郎(PROG FEST Onlineプロデューサー)