なぜ私は虹色楽団を立ち上げたのか

2023/12/25  

by うえむらかをる 

❤️ Young@Heart からRainbowhearts へ

私は、様々な形で、様々なジャンルで、30年近く歌の指導を行ってきていますが、発表会というものは行って来ていませんでした。

あちこちのスクールで行われている発表会やライブは、大変コストがかかり、ソロボーカルの場合、たった1曲を披露するだけでも何万円もの参加費がかかるのが常態化されていて、それは会場費やバンドの人達を雇う人件費を考えると仕方のないことなのですが、私としてはその支出は理不尽に思えてなりませんでした。

「合唱」という手段なら、コストは分散されるので、一人当たりの支出は抑えられます。

しかし、ゴスペルには抵抗があったし(「God spell」が語源であるゴスペルは「福音書」の意味を持つので、聖書を理解する者以外は、歌に魂が入らないだろうというのが私の考えです。)

何かみんながワクワクするようなコーラスワークができないかと考えていた時に、アメリカのYoung@Heartの存在を知りました。

平均年齢80歳の老人達が、ジミ・ヘンドリックスなどのロックを歌っている映画を見ました。格好いいったらありゃしませんでした!

 

しかし、当時、高齢者施設で介護現場にも関わっていてわかったことは、2010頃の日本の80歳は演歌しか知らないってことでした。

しかし60歳代はビートルズ世代でした。

そこで、50~60歳代に声をかけて「15年後には全国ツアーをやるから今から声を鍛えておいて!」と呼びかけ始めたのです。

そう声かけした時の、生徒さん達の目の輝きは今でも覚えています。

15年後だったらその間に準備はできます。

 

そうこうしているうちに、現おとバン理事長の岡田信一氏と出逢います。前述のアイデアを話したところ、すぐに企画書を書いてくれました。

そして、あまり時を経ずして「虹色楽団」を立ち上げることができました。

15年はかかりませんでした(笑)。

 

最初は、Young@Heartのイメージがあったので、「銀色楽団~Silver hearts Club Band」にしようと思いましたが、40歳代の人も参加したいと言ってきたので、いろんな年齢層を受け入れ「虹色楽団~Rainbow hearts Club Band」としました。

Young@Heart: "The Greatest Story Never Told" Documentary Project Kickstarter

2022/6


虹色楽団・映像作品第1弾「DAYDREAM BELIEVER [デイドリーム・ビリーバー]」

2020/7

♣️ ロックに拘る二つの理由

演奏も、アマチュア演奏家を鍛えようということになりました。

ジャンルは「ロック」に絞ることにしました。

楽器の人もアマチュアで、となると、8ビートならまだなんとか形になるが、16ビートをちゃんとグルーヴさせるにはかなりの訓練が必要です。

歌にしたって、裏拍取れない、16ビートも表現できない、でリズム&ブルースを歌えるわけありません。かっこ悪いことにしかならない。

 

アマチュアの人たちが、いかにかっこよく見えるか?を考えた時、「王道のロックをやる!」、これに迷いはありませんでした。

幸い、私のボイトレを受けて来た人たちは、声の出し方をよく知っているので、複数の集まりになった時、とてつもないパワーになります。

対外的にも「中高年が『ロック』を大合唱するのだ!」は話題になりやすいだろうという目算もありました。

現在、それらの目論見は大当たりしています。

どこのフェスに出演しても、意外な選曲と、普通のおじさんおばさんから発せられる予想外のパワフルな声wwが、観客を驚かせています。

 

さて、もう一つの虹色楽団への私の思いとは、「ロックスピリット」です。

「ロックスピリット」は、どんなジャンルにでも存在し得るのですが、「人権」「自由」「平和」「反骨精神」「友愛」「平等」などです。

「自由」と「平等」は相反するという意見もありますが、「平等」が先に来れば問題はないと思っています。


♦️ Good vibration を世界へ

虹色楽団を立ち上げたのが7年前ですが、この7年の間に世界は大きく変わっています。

日本の立場も大きく揺れ動いています。

私個人としては、決していい方向に進んでいないなという思いが強く、自分のライブも含めて、危ない動きには抵抗する姿勢を表明しています。それは直接の言葉であったり、楽曲の選曲であったり、歌詞であったり様々な形で表現していますが、ジョン&ヨーコの「Happy Xmas」にもあるように、どんな肌の色も、年齢も関係なく、幸せになる権利があるはずです。

そしてオバマ元アメリカ大統領が、2012年、2期目の就任式で同性婚を認めるにあたっての演説したように、「どんな『愛』も平等でなければならない」はずです。

そのためには、無駄な戦いでの死や、ジェノサイドを黙認するわけにはいかない、というのが、昨今の切なる思いです。

ジェファーソン・エアプレインの「Somebody to love」をセットリストから外すことができないのもその理由です。

 

先日、2023年最後のワークショップで「Happy Xmas」を歌おうという瞬間に、デスクワークをしていた岡田理事長が立ち上がってみんなと一緒に歌ってくれたのには、ちょっぴり感動でしたよ。そして、何人かの目には涙が光っていた。

Good vibration が伝わったと思った瞬間でしたね!

複数人で音楽を演る、大勢で合唱をする、それはGood vibrationを産むことに繋がる、でも、一歩間違えればBad vibrationになることもある。

だから、「空気の波」である発声やリズムには丁寧に取り組んでいます。

そこに気をつけながら、虹色楽団の発展に努めていければと思っています。

ざっくり言うと、参加者の1人1人がそれほどポテンシャルを持っているとは言えません。しかし、束になる事によって、お互いの弱点もカバーでき、質の高いコーラスが仕上がります。

音は「空気の波」なので、良質で大きな波ができればいいのです。

そのノウハウは、私が自信を持ってお伝えして行きます。

暫く離れていた方も、初めての方も、すぐ継続参加者の域に追いつけますので、いらっしゃれる時間に、無理せず、参加してください。

 

私たちのGood vibrationを世界に届けましょう!

虹色楽団に参加することで、みなさんが「生き甲斐」を見つけてくだされば幸いです。m(_ _)m

虹色楽団のライブには、私うえむらかをる 「ボイストレーニング」コーナーがあります ❣

虹色楽団・映像作品第2弾

「12月の雨の日」

2023/7